点火不良、燃焼の立ち消え、風圧スイッチの不作動|カナダ・エンバイロ社製の場合
商品不良
海外製品ということで長期輸送が原因なのか、以下のような商品不良がありました。
(1)ガラスの亀裂(機種:EF3Bi)
大きな破損ではないのですが、固定部付近での5センチほどの亀裂。
■ 対処方法
ガラスの取替(輸入元、豊臣工業が在庫しており比較的早期に対処できた)
(2)対流ファン(循環ファン)の不良(機種:エンプレス)
信号線の圧着部接触不良によるものか、対流ファンが作動せず温風が出ない。
やがて安全装置(異常過熱防止)が働き、そして止まってしまう。
■ 対処方法
圧着端子部を再固定するとファンが回り始めた。しかし2、3日後に再度ファンが作動しなくなったため、ファンの交換を行う。
(輸入元、豊臣工業が在庫しており比較的早期に対処できた)
(3)ファン振動によるストーブパネル接触振動音(機種:エンプレス)
弱運転では気になりませんが、中燃焼から大燃焼の際に金属が振動した「ビー」という音がすることがあります。
固定ビスの緩みやそもそものパネルの変形が原因と思われる。
■ 対処方法
ストーブ裏のパネル部の固定ビスを増し締めし、それでもビビリ音がおさまらない場合は、パネル接触部に耐熱のシートを挟み込み音を静めました。
(1)概要
煤の増加と着火不良を繰り返します。
(2)トラブルの原因
| ア) |
蓄積した灰(写真1)によって排気経路に詰まる箇所が生じ、それが原因で排気量と速度減速による給気不足が起こります。日常のメンテナンス不足の場合、要因⑥に該当します。 |
| イ) |
排気筒先端部の網目が詰まっていることがあります(写真2)。網目が詰まることで炉内の煤を増加させ、さらに灰を炉内に蓄積させてしまいます。要因⑥に該当です。 |
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写真1 燃焼ポット裏に溜まった灰 |
写真2 目詰まりした排気筒先端部 |
| ウ) |
空気量調整ダンパー(写真3)の調整ミスによる空気不足が原因です。要因⑥に該当します。 |
| エ) |
本体と灰トレイとの密着があまいことによる吸気不足が原因です。要因⑥に該当します。 |
(3)対策
| ア) |
炉内の掃除を適宜、行なう必要があります。 |
| イ) |
排気筒先端部の網目の掃除を適宜、行なう必要があります。 |
| ウ) |
ダンパーの調整を行なうように、ストーブ利用者に伝えることでトラブルを解消しています。
標高が0メートルに近い地域と、標高が高い地域では燃焼に適したダンパーの調整位置が違います。奥まで押し込んでも全閉にならないダンパー構造になっていますので、標高が0メートルに近い地域ではダンパーを5ミリほど引いたぐらいがちょうどいいものです。しかし、それでも過剰空気量により点火ミスや立ち消えが起こる場合もあり、さらに押さえることが必要なこともあります。これはペレットの質でも同じことが言え、燃焼にちょうど良いダンパー調整が必要となります。 |
| エ) |
灰トレイを正確にセットすることが重要です。 |
(1)概要
燃焼が途中で消えてしまいます。
(2)トラブルの原因
| ア) |
ダンパー調整ミスによる空気過剰燃焼が考えられます。要因⑥に該当します。 |
| イ) |
ペレットの燃焼速度が早すぎることが原因です。要因③、ストーブ本体と燃料との相性が原因です。 |
| ウ) |
燃料タンク底にオガ粉が溜まり、成形固化されていないくずだけが供給されてしまう。この場合は、燃料の品質に由来するトラブルであり要因②に該当します。 |
(3)対策
| ア) |
ダンパーを燃焼に適したレベルに調整することで、立ち消えは改善できます。 |
| イ) |
ストーブ販売店として責任のもてる燃料メーカーのものをストーブ利用者に推奨するようにしています。 |
| ウ) |
ストーブ販売店として責任のもてる燃料メーカーのものをストーブ利用者に推奨するようにしています。多くのストーブメーカーは、粉化率の低いペレットを利用することが好ましいと考えています。 |
(1)概要
風圧スイッチが、異常がないのにもかかわらず作動してしまいます。要因①に該当します。
(2)トラブルの原因
主に排気経路の閉塞を感知する安全装置ですが、特に排気経路に異常がないのに働くケースがまれにあります。
(3)対策
スイッチのリセットを行なうことで不作動が改善されます。
使用上でのクレーム
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熱交換部保護カバー内部(EF3Bi) |
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燃焼ポット裏 |
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2〜3ヶ月毎日使用時の処分灰 |
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3ヶ月使用排気トップ鳥侵入防止の網の目つまり |
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不完全燃焼時の排気パイプ内部 |
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空気量調整用ダンパー(左下のノブ・EF3Bi) |
(1)ススの増加と点火不良
排気経路に、蓄積した灰によって詰まる箇所が生じ、その原因で排気量と速度減速による給気不足が起こる。これらの原因によりススの増加と点火不良を繰り返す。
■ 対処方法
炉内の掃除
(2)ススの増加と点火不良
1と似た症状が起きる場合は、1の原因と平行して排気トップの網の閉塞が考えられる。トップの詰まりは炉内のススを増加させ、更に灰を炉内に蓄積させます。
■ 対処方法
炉内の掃除とトップの網の掃除
(3)ススの増加と点火不良
ダンパー調整ミスによる空気不足
■ 対処方法
ダンパーの調整
(4)ススの増加と点火不良
本体と灰トレイとの密着があまいことによる給気不足。
■ 対処方法
灰トレイを正確にセットする
(5)燃焼途中立ち消え
原因a:ダンパー調整ミスによる空気過剰燃焼
原因b:ペレットの燃焼速度が早すぎる
原因c:燃料タンク底に木粉が溜まり、粉のみ出る
■ 対処方法
ダンパーの調整・燃料の変更・燃料タンク底の掃除
(6)風圧スイッチの作動によるエラー
主に排気経路の閉塞を感知する安全装置ですが、特に排気経路に異常がないのに働くケースがまれにあります。
■ 対処方法
風圧スイッチのリセット
(7)標高によるダンパー調整ミス
■ 対処方法
標高が0メートルに近い地域と、標高が高い地域では燃焼に適したダンパーの調整位置が違います。奥まで押し込んでも全閉にならないダンパー構造になっていますので、標高が0メートルに近い地域ではダンパーを5ミリほど引いたぐらいがちょうどいいものです。しかし、それでも過剰空気量により点火ミスや立ち消えが起こる場合もあり、さらに押さえることが必要なこともあります。
これはペレットの質でも同じことが言え、燃焼にちょうど良いダンパー調整が必要となります。
総評
エンバイロ製のストーブは構造的に二つに区分されます。
エンプレス・エボリューション・ミニという機種は、点火時のペレット供給量を一般的な国産機種と同様、一定量に定めています。
まず点火しやすい量だけが燃焼ポケットに投入され、そこに電気の熱で点火がなされ、その後に通常運転用ペレットの供給がはじまります。
一方、EF3Biは、ペレットストーブの原型ともいうべきか、点火時も通常運転時もペレットの供給量は、ダイヤル設定の量に従い一定のままです。
(カナダKOZIのストーブもこのEF3Biと同じ機構です。)
そのため、比較的燃えにくいペレットの使用、もしくは外気が低すぎる、または標高による空気不足で燃えにくい地域では、点火時のペレット量の微妙な調整が必要となります。対して、ダンパー調整や点火時のみの屋内給気切替を行うことにより点火はスムーズになり、標高1500メートルの地域でも問題なく運転します。
カナダにおいても様々な樹種のペレット燃料が存在します。点火時や運転時のペレット量をダイヤルで簡単に微調整できる機能が必要なため、今だにこのシンプルな構造のストーブに対するニーズがあるのではと思われます。
(資料提供:パイプ屋本舗)